航空部員の四年間の流れと搭乗可能な機種航空部員の四年間の流れと搭乗可能な機種

Pilot Development Process

闇に包まれた航空部員の入部から卒業までの四年間の流れを徹底解説しちゃいます!

四年間の大まかな流れと搭乗可能な機材

グライダーを含むすべての航空機は「操縦許可証」という、車で言う仮免許のようなものがなければ操縦訓練はできません。そのためまず最初にその練習許可証を取得する必要があります。取得自体は非常に容易で航空身体検査というパイロットに特化した健康診断(ネット上では非常に厳しいとありますがそういったものはエアラインパイロットが対象であり我々の受けるものは異なります)を受けて航空機の操縦に支障がない健康状態であると医師に証明してもらい、その診断結果を国土交通省航空局に郵送すれば練習許可証を発行してもらえます。しかし練習許可証がなくてもグライダーに搭乗はできます!入部したその日から新入生も操縦席に座り上空で操縦の基本やグライダーの特性などの説明を教官方から受けます。そのおかげで練習許可証が届くころには上空での基本操作は頭に叩き込まれているでしょう。

練習許可証を取得後は正式に操縦訓練が開始します。初めての操縦では真っすぐ進むことすら難しいです。しかし自分の手で操縦する感動は素晴らしいものです。訓練内容ははじめは直線旋回などの基本操作から、上達していけば離陸や着陸の訓練も実施していきます。そしてそういった基本操作だけでなく長時間飛行のためのソアリング(上昇気流を利用し高度を上げること)や緊急時に必要な失速時の対処などの訓練もやっていきます。ここでどれだけ早く上達できるかが今後のグライダー人生を左右するかもしれません。こういった訓練で上達するコツは実際に操縦するだけでなく地上でどれだけ勉強したり上級生から操縦のポイントを盗めるかもカギになってきます。

操縦技術が向上しソロフライトが近くなってきました。しかし操縦技術だけでは残念ながらソロフライトはできません。航空機は地上の管制や他の機体との交信などはすべて無線を用いて行います。そういった無線を一人で操作するには無線免許が必要になります。その無線免許を取得しなければソロフライトはできません。

無線免許もそろい教官の判断でソロフライトの技量もあると判断を受けました。いよいよソロフライトです。そしてソロフライトを複座機で数回実施し問題ないと判断されれば単座機への移行です。ファーストソロフライトは一人で飛ぶ喜びと一人で飛ぶ不安で忘れることのできない思い出になるでしょう。一般的には50~100回程度の飛行経験があればソロフライトに進むことができます。そのため早い部員であれば一年冬から二年の春にはソロフライトへ移行することが可能です。

ソロフライトにも慣れて決められた飛行回数と飛行時間を超えると指定養成に入ることができます。指定養成とは一人前のパイロットとして必要な操縦士技能証明書を取得するのに通らなければならない道です。通常操縦士技能証明書の取得には学科試験と実地試験の二つに合格しなければいけません。学科試験は試験会場にて四つの分野の問題を解きますが実地試験では実際に操縦しその技量を確認された後、口頭試問を受験します。実技試験では国土交通省航空局の職員が試験を実施しますが難易度が高いです。そのため多くのグライダーパイロットは指定養成施設に入所します。指定養成施設とは数日かけて民間人による実地試験を受験することができます。しかし指定養成施設には入所するための審査を合格したのち入所し様々な試験や口頭試問を受けたのちに合否が言い渡されます。

指定養成も合格し一人前のパイロットになりました。操縦士技能証明書を取得したことで日本各地の滑空場でのフライトのハードルが下がったりより遠くへ飛行することができるようになります。また大会の多くはライセンシーであることが条件であることも多く選手として大会に出場することもできるようになります。

いよいよ卒業です。もちろん卒業した後もグライダーに乗ることは可能です。全国にある社会人クラブなどに所属することで卒業後もグライダーに乗っているOBOGは多くいらっしゃいます。また航空部の教官方は航空部を卒業後(在学中に教官になることも可能)に操縦教育証明を受験し合格することで教官になり、教官としてお越しいただいています。またエアラインパイロットとして空を飛んでいる卒業生も多くいます。

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